2013年6月1日土曜日

コスコ それとも コストコ?

ちょっと前に日本に一時帰国した際に、コストコに行って参りました!
巨大な店舗空間と倉庫型の陳列方式はアメリカ式そのままで、アメリカでおなじみのものも多く売っているその上に、アメリカには無い日本向け商品の品ぞろえが豊富で、うらやましい限りでした。

さてさて、本日のテーマはこのお店の名前の日米の名前の違いについてです。
アメリカではCostco. と書き、発音はtの音が聞こえずカタカナで書くと”コスコ”に近い発音です。
一方日本ではCostco.と書き、カタカナ表記はコストコです。
なぜ日本では社名をコスコとせずにコストコとしたのか不思議でした。それを今回は探っていきたいと思います。

アメリカ発祥のこの巨大会員制倉庫型卸売りストアは、会社名を Costco と書きます。(正式名称Costco Wholesale Corporation)
Costco の名前の由来ですが、これは、Cost と Company という二つの単語から作った合成語でしょう。会社を表すCompanyはよくCo.と略されますから。日本語に意訳すと”価格本舗” って感じですか。”価格ドットコム”なんていう会社もあるから、名前が表す”激安”、”安売り”のイメージはつかみやすいでしょう。

ですから、Costco は Cost + Co なんです。
これにカタカナ表記を当てると、 コスト + コ ですね。
意味を忠実にくめば、コスト・コ も非常に理にかなっている訳です。
なるほど、発音よりも意味を重視して、日本進出の際に社名を”コストコ”にしたのか、と納得できました。(が、これが後から覆される----)

ところで、ついでなので、日本語のカタカナ語の“音”について、もうすこし、私が日ごろ感じていることをお話します。
日本語は“カタカナ”が存在するゆえに、従来日本語に無かった概念や言葉を訳すことなく表音することが可能となり、外国の新しい概念や情報をいち早く輸入し、吸収消化することができた、と言われています。例えば中国では、中国語は表意文字の漢字しか持たないので、外国語を輸入するときには、意味を慎重に吟味してどの漢字をあてるか、検討に時間がかかってしまうのです。(最近はアルファベット対応の表音漢字なるものを作って対応しているらしいですが。)  
しかし、便利そうなカタカナですが、日本の国の国語政策として“統一した”見解が無いため、外国語を輸入した分野がそれぞれ勝手にカタカナ語化したのでしょう。その際、そもそも日本語に無い発音をカタカナの音だけで表記するのは無理があるので、聞こえ方にどのカタカナをあてるかは、適当と言えば適当だったはず。その結果、もとの単語が同じとは思いもつかないカタカナ言葉がちまたにたくさん存在することになってしまいました。
例をあげますね。

machine  → (機械という意味で) マシン
      → (布を縫う機械、という意味で) ミシン 
英語ではsawing machine なぜこの時点で縫うsawingという言葉が省略されたのかも不思議です。  マシンガンもミシンガン っていうと破壊力 小さそう!

iron   → (鉄という意味で) アイアン(例:アイアンマン、アイアンレース)
   →  (布のしわを伸ばす道具の) アイロン
   →  (ゴルフのクラブの)アイアン 
これは、英語発音と米語発音の違いもあるのかもしれません。鉄の女サッチャーさん(Iron lady Thatcher)が亡くなったニュースで、イギリスBBCのニュースの発音はアイロンに近かったです。米国ニュースはアイアンに聞こえました。
アイロンレディー、って言うとずいぶん家庭的に聞こえてしまいますね。

偶然違うカタカナがあてられただけなのに、その言葉のイメージがここまで違ってくるとは、面白いですね。 逆に言うと、これだけかけ離れたイメージのマシンもミシンも、アイロンもアイアンも英語話者にとっては抱くイメージは同じなんでしょうか?

さて、意味に忠実な発音の日本のコストコ、
コストコホームページより問い合わせてみましたところ、ご丁寧な回答をいただきました。それによると
「コスコ」はすでに商標登録されていて使えなかったため、「コストコ」としました。
とのことです。なんのこっちゃ。
そして、その辺のいきさつは、コストコに問い合わせることも無いほど、ネットで情報がでてきました。COSCOはChina Ocean Service Co. という中国籍の輸送運搬会社で、日本では社名の書かれたコンテナをよく目にするそうですが、ご存知ですか? アルファベット表記ではスペルが違うので問題なかったでしょうに、カタカナだと同じになってしまい「コスコ」は登録できなかったのですね。
なーんだ、深く考えたネーミングではなかったんですか。

以上
おしまい
次回はもっと早くブログを書きます。


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